コインランドリー運営のヒント

コインランドリー火災の火災調査書を読み解く、の巻

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情報公開制度で取り寄せたコインランドリで起きた火災の文章ですが、フロアが全焼した1件は機械が出火元ではありませんでした。
また、思ったよりも黒塗り部分が多かったです。
開示請求した文章は下記の4種類。

  1. 火災調査書
  2. 出火原因判定書
  3. 現場見分調書
  4. 現場質問調書

このうち、現場見分調書と現場質問調書は全部黒塗りでした。
ただ、これも想定外だったのですが、意外と写真も公開されていたので、どこが主に燃えていたのか、どのメーカーのどの機種が燃えたのか、という情報には事欠きませんでした。

3件請求したもののうち、フロアが全焼した1件は出火元がコインランドリー機器からではなく、そのためこのブログで触れるわけにはいかないのですが、もう1件の半焼の事例は乾燥機が出火元でした。

火災調査書による出火原因は、「吸気側からリントなどの異物が入り込み、バーナで着火して火の粉状態になった結果、リントフィルタに蓄積したリントに触れて着火したものと思われる。」とあります。

現場見取り図にある寸法からみると、こちらの店舗では乾燥機の裏側のスペースがとても狭く、乾燥機裏に入るためのドアもなかったようです。
ただ、この乾燥機のメーカーによる設置基準である機器背面から壁までの距離、610mmには合致していたようです。

火災が起きた乾燥機と同型機の空気取入口付近

上の画像の赤い線で囲んだ部分は火災が起きた店舗の出火原因となった乾燥機と同型機の、バーナーで空気を加熱する部分に空気が入るところです。
この乾燥機では他に空気を取り込む部分はないので、この部分からリントが入り込んだと推測されます。
ただ、コインランドリー刑事的には火災調査書の出火原因はちょっと違うんじゃないかなあ、と思うんです。
空気の流れの順番からすると、吸気口→バーナー→ドラム周辺→ドラムの穴→ドラム内の衣類→リントフィルター→排気口、となるので、吸気側から入ったリントにバーナーで着火された火の粉は、まずドラム周辺にあるリントに着火すると思うんです、
というのも、ドラム周辺にはリントがかなり付着しているですよね。
でも、この部分はネジを緩めて正面パネルを取り外さないと清掃できないので、つい忘れてしまいがち。
また、この部分に蓄積されたリントは、火災の原因にはならないと言っているメーカーもあります。
まあ確かにドラム周辺のリントが出火原因ならしょっちゅう火災が起きているはずで、ここが直接の火災の原因にならないというは分からなくもないのですが、もしドラム周辺にリントがなければ、万が一吸気側から入ったリントに着火した火の粉が乾燥機内に入っても、ドラム内で乾燥中の湿った衣類に引火する可能性は少ないと思うので、やはり火災の可能性を排除するという意味ではドラム周辺のリントも除去しておくべきだと思います。
多くの機器メーカーが推奨しているように、少なくとも1年に一回は清掃したいところですが、そうもいかない店舗様も多いと思うので、せめて機械の裏は機械の環境ごとキレイにしておくべきだと思います。

私も担当するコインランドリーの乾燥機が、この火災のコインランドリーと同メーカーの同型機だったので、あわてて裏側に回って清掃しました。
ちなみに、私の担当している店舗は運営と施工監修が別々の大手メガフランチャイザーで、運営は最近のフランチャイザーですが、設計監修が老舗のコインランドリーフランチャイザーで、ちゃんと機器裏側に通路があり、しかも裏側専用の通気フィルターが店舗壁に設置されていて、機器の裏側の換気が良いので数ヶ月清掃しなくても機器の吸気口付近にリントがたまるというような事がない設計となっており、さすがだなあと思いました。

はたして、このコインランドリーの火災はこの店舗特有の事象だったのか、それとも、やはり吸気側からリントなどの異物が入り込みやすい環境が引き起こしたものなのか。

もう1件の同様の火災に関しては、開示がかなり先になりそうなので、一旦この話題から離脱します。
情報公開請求した資料が揃いましたら、また報告します。

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