ここで、2023年のコインランドリー店アワードについて今一度おさらいしますと、
主催・国際コインランドリーEXPO 実行委員会
応募期間・2023年7月27日(木)~10月2日(月)の67日間
発表・2023年12月7日(木)
応募された店舗・64店舗
選考委員
ゼンドラ株式会社 代表取締役 関誠
ランドリービジネスマガジン 編集長 前沢優希
一般社団法人コインランドリー連合会 理事 都丸聡
コインランドリー刑事 藤原健一
コインランドリー女子 ミユキ
各都道府県ごとの応募店数の内訳
北海道4
青森県1岩手県1山形県0秋田県1宮城県0福島県1
茨城県4栃木県1群馬県1埼玉県0千葉県2東京都9神奈川県4
新潟県0富山県1石川県1福井県0山梨県1長野県0
岐阜県2静岡県6愛知県4三重県1
滋賀県1京都府1大阪府2兵庫県2奈良県0和歌山県0
鳥取県0島根県0岡山県0広島県0山口県0
徳島県0香川県0愛媛県1高知県0
福岡県2佐賀県1長崎県0大分県0熊本県2宮崎県0鹿児島県5沖縄県2
最優秀賞・ランドリープレス博多住吉店(福岡県・博多市)
特別賞・もりやまランドリー(秋田県南秋田郡)
店舗デザイン部門賞・コインランドリーSHITTEアクアテラス(茨城県神栖市)
UI・UX部門賞・Baluko Laundry Place小清水町ワタシノ(北海道斜里郡)
となりました。
ランドリービジネスマガジンを発行するゼンドラ株式会社代表取締役、関 誠さんの総評の前に、最優秀賞について触れたいと思います。
最優秀賞の定義は、「あらゆる側面から、最も評価が高かったコインランドリー店舗に授与される」賞です。
最優秀賞のランドリープレス博多住吉店は、福岡市に本社を置く株式会社アスファクトが福岡県福岡市博多区住吉2-11-21に今から約4年前の2019年11月16日にオープンした4階建てビルの1階、24時間営業の都市型コインランドリーで、イニシャルコストは3,500万円(コインランドリー刑事調べ)、家賃は45万円。
私は福岡だと芦屋に住んだことがあるのですが、博多は土地勘がないので駅からの距離を見てみますと、博多駅から1140m、徒歩14分と出ました。
博多市の人口は墨田区とほぼ同じというところから、東京でいえば錦糸町や立川あたりですが、博多駅はターミナル駅ですからもう少し都心寄り、神田あたりにあると思っても良いと思います。
今回このコインランドリーが最優秀賞を取ったのは、ずばり
に、我々選考委員はハートを鷲掴みにされたのです。
もちろん私も票を入れたのですが、ランドリープレスさんがとにかく数字を挙げて、「どうだ、うちはすごいでしょう」と熱く熱くアピールするエントリーシートを読むのは初めてで、本当に驚かされました。
そこには巧言令色はなく、徹底的にコインランドリーの本質、つまり洗って乾かすことへの利便性を追求し、同時に利益最大化するためだけに特化したお店作りについて書かれていました。
つまり、コインランドリーの原点回帰への回答が、このお店、というわけです。
その結果、開店資金3,500万円で4年めに月商350万円、年間売上3,000万円という数字が出てきたわけです。
利回りで考えると20%を超えているのではないでしょうか。恐るべき売上です。
なぜこのコインランドリーがこんなに人気店になったのか、エントリーシートを見てみると、
をすべて実行に移したモデル店舗が、ランドリープレス博多住吉店。
機器はメインが山本製作所、洗濯乾燥機6台、乾燥機10台、大型乾燥機2台、8Kg洗濯機2台、シューズ洗濯乾燥機1台、面積は45坪、間口は20m。
店内は清潔感よりもラグジェアリー感を優先した、豪華なシャンデリアが目を引くホテルのロビーのような空間。
人件費節約のため有人時間はなく、使い方は9ヶ国語表示、シャープのロボホンとデジタルサイネージで構成される「ランドリープレスナビ」システムにより無人での案内不足を補っています。
洗剤は無添加低刺激洗剤など3種類から選べて、柔軟剤は無使用を含み4種類から選べます。
洗濯コースも布団毛布・敷布団、ダニ撃退(洗浄前に10分間の熱風殺菌)などが選べ、これら洗剤・柔軟剤・選択コースの組み合わせで96通りの洗い方が可能。自分好みの「わがままな洗濯」が楽しめます。
サービスとして24時間遠隔監視録画、清掃、テーブル拭き用おしぼりの用意、挽きたてコーヒー自販機など。
まさに、コインランドリーとして基本的な部分を徹底的に考えて充実させた店舗といえます。
コインランドリー刑事的には、「(構成は)ありそうで(思想は)なかったコインランドリー」と思います。
というのも、他にも似たような構成のコインランドリーはあるのですが、思想として「一番に儲けたい」が先に来てしまうとまず考えられるのがコストダウンでシンプルな大型店を作ろう、となると思うのですが、ランドリープレスさんの場合はもちろん儲けたいという考えはあっても、イニシャルコストをケチらないであらゆる事を想定してきちんと充実したお店を作り、あとはお客様に気に入ってもらえてナンボ、という思想が伝わってきました。
しかもランドリープレスさんが挑戦したのは、お客が来てあたりまえの郊外の駐車場付きコンビニやGS跡地ではなく、わざわざ博多駅チカに徒歩客だけを相手にしてこのお店を作った、というところです。
その挑戦は見事に成功した、といえるでしょう。
心から拍手を贈りたいと思います。
なお、来年2024年の1月に福岡県にあるランドリープレスさんのお店を1日で5店舗巡るツアーが開催されるそうなので、興味のある方はお問合せしてみてはいかがでしょうか。
店舗検索ナビ|コインランドリー開業・リネン・クリーニング総合力のランドリープレス|Laundry Press
それでは、12月7日の表彰式でのゼンドラ株式会社代表取締役、関 誠さんの総評をご覧ください。